MILLING
製粉について
福井の消費者は、そばの香りや味にとても強いこだわりを持っています。
だからこそ当社では、一般的な「むき実(そば殻を除いたそばの実)」を丸ごと挽く「挽きぐるみ」の商品は、注文生産としています。
そばの実は中心から外側へ、1番粉・2番粉・3番粉と分かれており、香りがもっとも強いのは外側の「甘皮」を含む3番粉で、次いで2番粉の部分です。
反対に、中心の1番粉はでんぷん質が多く、香りの輪郭をぼやけさせてしまう原因になります。
当社では、そば本来の香りを引き立てるため、香りが弱くなる1番粉をあえて取り除く「割り挽き」の工程を加えています。
手間を惜しまず、香りの“芯”を守る。それが、私たちの製粉づくりです。
福井の厳しい舌に応えるために、妥協なき姿勢を貫いています。
MATERIAL
原料について
当社で使用している主な玄ソバは、福井県奥越地方(勝山市・大野市)産です。
かつて福井県のそば栽培面積は、減反政策が始まった1972年当時、およそ100ヘクタールにとどまっていました。
そこで当社の二代目は、故・中山重成翁とともに、行政機関やJA、生産者と連携し、湿害対策の研究や香りが強い「早刈りそば」の確立などに取り組み、長年にわたり生産技術の指導と栽培拡大に尽力してきました。
その結果、現在では福井県内のそば作付面積は3,500ヘクタールを超えるまでに拡大しています。
近年では、「そばがおいしいと思う都道府県ランキング」や「おいしいそば産地大賞」などでも福井県が上位を連覇するなど、玄ソバの品質は全国的にも高く評価されています。
当社では、その中でも特に寒暖差のある気候に育まれ、甘みと香りに優れた奥越産の玄ソバを厳選しています。
収穫後、熱による劣化や発芽を防ぐために乾燥まで丁寧に手をかける奥越の生産者の姿勢を信頼し、そうした手間を惜しまぬ玄ソバだけを原料として使用しています。
FACTORY
工場規模・工程
- 設備
- 石抜き機・集塵機・選別機・低温倉庫・工場内冷房装置・石臼機30台・石臼40台
- 工程
- 玄ソバ低温倉庫 → 石抜き → 異物除去 → 玄ソバ磨き → 割り挽き → 一番粉・そば殻抜き → 石臼挽き